2020年1月発売のNova High Top、キャンバスとライニングは全てオーガニックコットンとアグロエコロジカルコットンを使用し、フェアトレードの原則に準拠しています。
© Studio VEJA
オーガニックコットンは、フェアトレードの原則に従ってVEJAが直接調達しており、多くのVEJAスポーツシューズのキャンバス、シューレース、アッパーに使われています。
2004年のVEJAプロジェクトの開始以来、私たちはブラジルのさまざまな地域やペルーの海岸に位置する生産者団体から、オーガニックで、アグロエコロジカルで、フェアトレードの綿を約1191トン直接購入しています。
ブラジルでは干ばつが頻繁に起こります。2012年から2017年にかけて、ブラジル北東部は歴史上最も長い干ばつに見舞われました。この地域では、毎シーズン60%の確率で干ばつに見舞われます。2021年も干ばつのため、ブラジル産の綿花は40%にとどまり、ペルー産の綿花を60%使用することになりました。
2022年に、ブラジルとペルーの1,035家族が生産した綿を345トン以上購入しました。VEJAは、生産者が加盟している協会に最大で50%を前払いしました。
VEJAが農家の家族から直接有機綿を購入してから19年が経ちました。
収穫中のオーガニックコットン
2018
© Charlotte Lapalus
(Kg/年)
(R$/KG/年)
コットンの価格は生産者と事前の話し合いで決められます。なのでADEC の農家の人々は1キロあたりいくら手に入るのか前もって知ることができます。この独自の取引価格により、生産者はより生態系に配慮したアグロエコロジー(農生態学)を実施するための経費を工面でき、労働に見合った収入を得ることができます。
VEJAは生産者のコミュニティを支援するため、50%前払いします。
COVID-19のパンデミックの際でも、事前の契約通りの支払いを保証しました。
ADEC で保管されるオーガニックコットン
© Charlotte Lapalus
2022年に、VEJAは綿1キロあたり20.77R$を支払いました、これは市場価格よりも約50%高い価格です。
2021年には、綿1キロあたり18.72R$、2020年には17.94R$を支払っていました。
オーガニックコットンの価格は、生産者と事前に決定されます。VEJAは2年間の契約を結び、事前に決められた価格で彼らのオーガニックコットンを購入することを保証します。これにより、生産者は次の2〜3回の収穫に対する予測が可能となります。生産者が綿の種を植えたときその種から生産される綿1キロをいくらでで売ることができるのか分からず、先への見通しが立たないという世界がかかえる農業の大きな問題を回避できます。
この取引方法により、生産者や彼らの協会が持続可能で再生可能な農法をより実施しやすくなります。
VEJAで使用されているコットンはすべて認証を受けています。ペルーで生産された綿花は、GOTS認証に加え、欧米の基準でオーガニック認証を取得しています。
ブラジルで生産される綿花は、ブラジル参加型保証制度という、小規模生産者同士が互いに認証し合うという、政府の公認の制度があります。
ペドロ・ジョルジ
ESPLAR の設立者、1970年代よりブラジルのアグロエコロジーに携わるパイオニア
© Cédric Amiot
社会と環境への影響を改善するために、綿花生産者を支援するNGOと連携しています。
ESPLARは1974年に設立されたブラジルのNGOで、セアラ州フォルタレザに拠点を置いています。
ESPLARの技術エキスパートは、オーガニックコットン農家の現場で技術的なサポートやアドバイスを行っています。アグロエコロジーを導入し、農作物を守るための支援をしています。
例えば、綿花を農薬を使わず害虫から保護できるようにニームの木を植えるようアドバイスをしました。ニームの果実から抽出したオイルは、綿花を襲う虫に対して天然の忌避剤をつくります。
Diaconia は、1967年に設立されたブラジルの NGO です。 国内の社会的・生態学的環境を改善するため、複数の都市や農村で活動を行っています。 農場を訪問し、価格の決め方やオーガニックコットンの栽培方法などを指導しながら、地元団体への技術支援を行っています。
収穫中のオーガニックコットン
2018
© Charlotte Lapalus
VEJAが購入するコットンはオーガニックですが、染料はそうではありません。しかしVEJAでは、安全基準に満たした染料を使用しています。
このよう加工された綿は、VEJAのほとんどのモデルで使用されます。
例えば、「ノヴァハイ」のキャンバスは、オーガニックコットン100%です。
有機栽培された綿花の収穫
ペルー、2018年
© Arthur Wollenweber
2017年以来、私たちはペルーのチンチャ地域にあるBergman Riveraの農家と協力してきました
Bergman Riveraは、1986年に有機農業の先駆けとして設立されました。今日、彼らはアンデス山脈からの水を使用して有機綿を栽培する160家族以上と協力しています。
チンチャ州では、手摘みで収穫し、化学肥料や有害な農薬を使用しないなど、環境への影響を最小限に抑えたコットンを提供しています。
ペルー綿は、トレーサビリティを保証するGOTS認証を取得しています。また、米国と欧州の基準による有機栽培の認定を受けています。
VEJA はフェアトレードのオーガニックコットンを使用しています。これは、世界中で毎年生産される綿花のほとんどが集中的な単一栽培、モノカルチャーによるためです。
水を大量に必要とし汚染物質を排出する工業的な農業は、環境に破壊的なダメージを与えます。
セアラー州の景色、2016年
© Ludovic Carème
環境再生型農業の主な目的は、土壌の質を自然な方法で改良することです。 生物多様性を高め、土壌に炭素を隔離して大気への放出量を減らし、水の循環を最適化する伝統的な農家の手法に基づいています。
アグロエコロジーや環境再生型農業は、どちらも土壌を保護し肥沃にする効果があります。
一口に有機栽培の綿花といっても、その栽培方法は常に進化を続けています。
集約農業による綿花栽培とは異なりアグロエコロジーの綿花は、化学肥料や農薬を使わず、自給作物と同じ畑で収穫されます。
トウモロコシやゴマ、豆類と一緒に栽培するのです。 それぞれの作物がさまざまな自然の力をもたらすことで、土壌が豊かになります。
ペルーでは、農家は認定オーガニックおよび再生可能な綿を栽培しています。彼らは認証プロセスでのサポートを受け取り、生産を向上させるための技術的および財政的な支援を受けています。2022年には、VEJAがペルーで購入したオーガニックコットンの5%がRegenerative Organic Certified®コットンでした。
ROC(Regenerative Organic Certified®)認証は、コットンに特化した基準であり、再生可能な農業の実践を促進しながら、動物の福祉と労働者の公平を確保を目指します。伝統的なオーガニック農業よりより厳格な基準を設定しています。
VEJA の農業技術者
マリア・ヴァルデニラ・ロドリゲス
2018
© Charlotte Lapalus
マリア・ヴァルデニラ・ロドリゲスと
ADEC の元会計士シキーニョ氏
セアラー州、2016年
写真 © Studio VEJA
マリア・バルデニラは、フォルタレーザから180キロ離れた小さな村に生まれました。
貧しい農家の娘(父親は読み書きができなかった)で、農学を学んでいた27歳のときにアグロエコロジーに出会いました。
2007年にブラジル北東部で開催された第1回オーガニックコットンフェアで、VEJAの創業者であるギランとセバスチャンに出会いその1年後、VEJAの「オーガニックコットン」認証の統括を任されることになリマした。
現在、ヴァルは自分のチームを持ち、ブラジルとペルーの1200世帯以上のオーガニックコットン農家を支援しています。
フィールド日記
セアラ州、2016
このノートは、コットンの生産者が書いたものです。そこには、日々の活動や、自分たちのコットンをオーガニックやアグロエコロジーの認証を受けるために行っているさまざまな活動が記録されています。