章立て

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挑戦

限界を知ること

VEJA は常に変化しながら、プロジェクトに内在する限界を見極めています。

製造

アイレットにニッケルが使われていないとはいえ、その金属を自分たちで調達したわけではありません。

Porto Alegre, 2021

© Studio VEJA

タックス・ヘイヴン

立ち上げ当初から、タックス・ヘイヴンに支店を持たない銀行との取引にはこだわり続けています。 そういった理由により、NEFは常に資金調達と事業運営に欠かせないパートナーです。またCrédit Coopératifとも取引を続けています。
一方オンラインストアで使用する銀行は、今もタックス・ヘイヴンに支店を持つ銀行に頼っています。 VEJA の販売方針は世界全域を対象としているのですが、普段利用する金融パートナーがそれに対応できるサービスを提供していないことが理由です。

染料

レザー、ラバー、コットンの染色に使う顔料は天然ではありません。

2012年と2013年、植物や鉱物由来の天然染料を生産量の40%に使用しましたが、赤色の品質が基準に達しませんでした。

退色しない安定した色彩を得るためには、欧州連合が制定した REACH 規則に則る範囲で従来の染料を使用するしか、今のところ方法がありません。

タンナー

2011年

© Cédric Amiot

レザー

2008年から2015年まで、VEJA が使用するレザーは100%ベジタブルタンレザーでした。

しかし2015年以降、コストと品質を理由に方向転換を余儀なくされました。

2023年、大人向けのコレクションの32%と子供向けのコレクションの27%が、レザーのヴィーガン代替品であるC.W.L.を使用して作られています。

Tanned leather

Porto Alegre, 2011

© Cédric Amiot

2017年以来、レザーに代わる環境に優しい素材を見つけることは、VEJAのソーシングチームにとって主要な目標でした。

そのため、2019年にVEJAは、当時イタリアで生産されていたヴィーガンおよびバイオベース素材であるC.W.L.を使用した最初のモデルの1つを発売しました。

しかし、当時は一歩前進でしたが、このキャンバスベースの素材に使用されているコットンを追跡することができませんでした。使用されているコットンはオーガニックではなかったのです。

そこで私たちは、2020年にC.W.L.を再発明し、よりよく追跡することにしました。何カ月にもわたる研究の結果、VEJAのトレーナーを製造しているブラジルで生産された、より優れた組成が導き出されました。

この新しいC.W.L.は、54%がバイオベースであり、レザーと同じ質感、柔らかさ、防水性を備えています。VEJAから直接仕入れた100%オーガニックコットンのキャンバスに、PU、ヒマシ油、コーンスターチでコーティングしています。100%オーガニックコットンは、VEJAが設立当初から協力している生産者によって、ブラジルとペルーで生産されています。

2022 Spring - Summer lookbook

© Vincent Desailly

今日、トウモロコシの生産チェーンを追跡することは困難です。多くの大企業が存在するため、バイオプラスチックのチェーンは透明性に欠けています。私たちは、有機農業の廃棄物からチェーンを作るための解決策を探しています。

これらは存在しますが、トウモロコシとサトウキビ(遺伝子組み換えの有無にかかわらず栽培されている)がタンクでの発酵過程でしばしば混合されるため、その利用は依然として困難です。 さらに、C.W.L.はポリウレタン50%でできていますが、これは綿布にトウモロコシを押し出すのに必要なものなのです。

合成皮革はブラジルの工場で生産され、水や化学薬品の使用量を管理している。しかし、合成スエードの原料は石油であり、私たちは100%バイオベースの代替原料を探すことに努めています。

DARWIN

2020年6月、VEJAは、修理とリサイクルに向けた初のプロジェクトストアをオープンするにあたって、DARWINを選びました。

ボルドーにあるDARWINは、都市のエコシステムを実現したスペースで、企業や各団体による生態学ならびに社会的なイノベーションが集められています。

VEJAは、このスポットに、履き古されたメゾンのシューズの修復とリサイクルを手がける実験的なスペースを設けました。

VEJA x Darwin

Bordeaux, 2021

© Antoine Huot

VEJA x DARWINは、未発売のVEJAシューズプロトタイプ、最小の欠陥を呈するスニーカー、旧コレクションからのシューズを低価格で収集しています。

廃棄物を減らすねらいで、VEJAのスニーカーや他ブランドのシューズを修繕するために、インストア靴修繕職人を擁しています。

VEJA x Darwin

Bordeaux, 2021

© Antoine Huot

オープンして以来、当社の靴職人は、VEJAの靴や他のブランドの靴を4,400足以上修理しています。

修理できない靴については、古いVEJAや他のスニーカーブランドの靴をリサイクルボックスに入れて、再利用するようにしています。

2021年7月に、パリのギャラリー・ラファイエットにVEJAのコブラーショップがもう1つオープンしました。こちらでは、VEJAだけでなく他のブランドのスニーカーやあらゆる種類の靴も修理しています。

ダーウィンと同様に、修理できない靴を集めるボックスを設置し、リサイクルプログラムをテストし続けています。

店頭の靴職人たちはこれまでに約19,000足の靴を修理しています。

修理サービスの成功を見て、このプロジェクトを続けたいと考えました。

現時点では、他のブランドのスニーカーは、その構成が追跡困難で危険な化学物質を含む可能性があるため、リサイクルできません。しかし、それらを他のプロジェクト(寄付、アートなど)に再利用する予定です。

Cobbler shop in Galeries Lafayette

Paris, 2021

© Studio VEJA

耐久性

天然素材を追究していくと、耐久性と両立しなくなることがあります。 私たちの目標は、VEJA の一足をより長く履いていただくことです。

野生ゴムで作られたソールは、従来型プラスチック製スニーカーのソールより耐久性があるのか? 98%石油ベースのプラスチックよりレザーの方が環境に優しいのか? 有機栽培のコットンキャンバスは、農薬を使用したコットンキャンバスより丈夫なのか? これらの回答がすべて「YES」になる日、VEJA の賭けは実を結ぶでしょう。

過剰消費

私たちは自分たちのスニーカーとその製法を誇りにしていますが、まだ疑問は残ります。 第一、そんなにたくさん靴を買う必要があるでしょうか? 製品にはスタイリッシュであってほしい、でも崇拝されてコレクションされる必要ってあるのでしょうか? 常に最新スタイルを持ち続けることはそんなに大切なことでしょうか?

2021 Autumn-Winter lookbook 

© Vincent Desailly

ガバナンス

VEJA は LLC(有限責任会社)で、株主は創業者の2人だけです。

成長中の企業にしては古風なガバナンスに見えるかもしれません。しかし私たちは、デモクラシーがあれば資本主義の圧力はいつの日か弱められるかもしれないと考えているので、外部投資家を招くことはプロジェクトのアイデンティティ崩壊につながってしまいます。


輸送

VEJAでは、主に海上輸送を利用してブラジルからスニーカーを物流倉庫に送っています。時折、航空輸送も行います。2022年と2023年には、ブラジルで生産されたペアのうち、0.5%未満が飛行機で送られました。