2004年以来、有機栽培とアグロエコロジー栽培による綿花の価格は、ブラジルとペルーの生産者団体との事前協議と合意に基づき決めています。
市場価格と市場変動にまったく左右されないこの契約は、生産者により確かな経済的保証を与えることができます。 栽培を始める前から綿花でどれだけの収入が得られるかを知ることができる安心感は、生産者の立場をより強固にします。
VEJA はまた、労働条件を改善するために生産者団体が使用する団体報酬として、綿花1キロあたり2.50レアルをお支払いしています。
Cotton flower
2018
© Charlotte Lapalus
(R$/KG per year)
2017年、VEJA の綿花購入価格は
平均して市場価格の2倍です。
VEJA スニーカーは、大手ブランドのスニーカーに比べ5倍の生産コストがかかります。 フェアトレードや有機栽培による原材料を仕入れて使用し、生産チェーンに携わるすべての人々が経済的に公正であるように賃金を定め、研究や新しい技術開発に投資しているからです。
パリのショップとオンラインストアの在庫はすべて ASF(Ateliers Sans Frontières、国境なきアトリエ)のスタッフが管理しています。
労働市場から排除された人々の職業的な社会参加を促すため、ASF はそれらの人々に適切な有給の仕事や個人に合わせた社会的サポートを提供しながら、キャリアプランの策定を支援しています。
ブラジルから入荷したスニーカーを倉庫で管理し、注文品の出荷準備をするのは ASF の担当です。
Jeffrey, Log'ins employee
© Ginevra Formentini
V-10 White Orange-Fluo Natural
Log’ins, 2021
© Ginevra Formentini
コンテナ
コンテナ
© VEJA Studio
フェアトレード
2004年以来、VEJA はフェアトレードの原則を採用しています。 つまり生産者と直接取引し、中間業者は使いません。
収穫前に、40%の前払いで綿花を調達しています。 つまり、スニーカーになる1年前にオーガニックコットンを仕入れていることになります。
年初に生産者と年間契約を結び、相互合意のもとで綿花の価格を決めます。 こうすることで生産者は、種を蒔く前から収穫した際どれだけの収入が得られるかを予測することができます。 合意された価格は、生産者がまっとうに生活し、継続して農場に投資できるようにするためのもので、市場価格とはまったく連動していません。
Organic cotton during harvesting
© Melanie Bahuon
Lオーガニック認証
発売以来、VEJA が使用するすべてのコットンは有機栽培により生産され、オーガニック認証を受けたものです。 新たなペルーのパートナーも認証を取得しています。
使用する化学物質の透明性
化学物質の透明性VEJAは、スニーカーに有害物質や汚染物質が含まれていないことを確認するために、化学的安全性の分析を継続的に行っています。
2021年10月より、素材サプライヤーは、ファッション業界で最も一般的に使用されている有害化学物質を含まないことを明記した試験報告書を提出することが義務付けられています。
プロダクションチェーン全体でこのプロセス、管理、監視を容易にするため、当社の調達チームは「VEJA Restricted Substances Policy(制限物質ポリシー)」を策定しました。
当社の制限物質に関する方針は、当社の素材に含まれるこれらの有害物質の特定と影響の軽減に役立ちます。
この文書は、女性用、男性用、子供用のすべてのスニーカーに適用されます。
Chemical tests
2021
© Studio VEJA
毎シーズン、コレクションから5つのモデルがこの検査対象として選ばれます。 検査方法は、製造中の各モデルより検査用サンプルとなる一足を抜き打ちで選びます。 次にこれらのサンプルを分解し、各構成部品をグラインダーで粉砕して文字通り粉末にします。
この粉体を測定し、アパレル業界でよく使われる禁止・規制対象の化学物質が含まれていないか確認します。 また VEJA では、製品に PVC(ポリ塩化ビニル)の使用を禁止しています。 この素材はサプライチェーンから段階的に排除するよう努め、現在はまったく使用していません。
数年前、ブラウンスエードを使用したスニーカーから、潜在的なホルモン撹乱物質として規制されていた化学物質が見つかりました。使用禁止ではなかったのですが、禁止されるのを待っていたら何年かかるかわかりません。
原因が染料にあることがわかったので、すぐに染料を変更しました。 こういった検査はより良い製品づくりに大変役立ちます。 VEJA が使用するすべての染料は、REACH 規則に適合しています。
VEJAが「ひいきにしている」素材
2020年度にVEJAが使用したテキスタイルとレザーの85%が、環境的に「優先すべき」原材料とみなされています。
VEJAでは、リサイクルプラスチックやオーガニックコットン、クロムフリーレザー、オーガニックジュート、CWL、リサイクルコットンを「ひいき」の素材としています。
従来のコットンは、特定テキスタイルのサポートに使用されています。
ファブリックの裏面にラミネート(または接着)することで、耐久性、弾性、強度が補強されます。
VEJAでは、使用量がかなり低いことから、このファブリックにオーガニックコットンを使用していません。
2020年度のVEJAにおける、テキスタイルとレザーの消費
B Corp とは?
B Corp は、企業としての VEJA を包括的に評価する認証機関です。 300にもおよぶ率直で詳細な質問に回答しなくてはなりません。 内容は賃金、サプライヤー、組織、環境、職場、ガバナンスに関するもので、非常に詳しい回答が求められます。
自社をさまざまな視点や方法で改善できる手段として、認証を受けることを決意しました。 創業者の2人は VEJA プロジェクトを立ち上げた頃まだとても若く、経験もガイドラインも参考となるモデルもありませんでした。 経営者としての経験がないまま、本に書かれていることより直感を信じて会社を設立した2人。 彼らの目標は創業初日から明らかでした。それは「自分たちが働きたいと思えるような会社を作ること」。 仕事の内容や責任の度合い、賃金水準、平等性、すべてにおいてです。
150人以上の優れた人材を抱えるようになった今、B Corp は企業としての VEJA を現実的に評価してくれる、かけがえのない存在です。 すべての質問に回答するのに1年近くかかり、いくつかの弱点が浮かび上がりました。 たとえば、ガバナンス。 取締役会がなく、投資家がおらず、ほとんどの経営判断が2人の創業者のみに委ねられているのは、弱点になり得ます。
B Corp により事業の弱点を明らかにし、それらをはっきりと認識することで、より良い目標づくりとルールづくりが可能になります。 すでにこれをきっかけに、父親の育児休暇の延長など、簡単に実行できるアイデアがたくさん生まれました。 こういった改善のための途中経過を、これからも一般公開してゆきます。 ほかにも良いニュースが明らかになりました。たとえば女性の賃金格差の問題。VEJA にこの問題はありません。なぜなら社内で最も高所得の5人のうち、4人が女性だからです。
とはいっても、まだまだ長い道のり。 B Corp の助けを借りれば、さらに改善を続けられるかもしれません。 VEJA は B Corp のメンバーであることを誇りにし、アウトドアブランド「パタゴニア」のような長期的ロールモデルを目指しています。
© Studio VEJA
Production line employee
Porto Alegre, 2021
© Studio VEJA
この行動規範には、企業の使命や理念、原則、ならびに企業の行動と決定に際して公正で責任のある態度を保つという誓約が定義されています。
VEJAでは、直接的な関係を持つサプライヤー、ならびに工場労働者に対しても、この行動規範を適用します。
サプライヤーの各社員が考慮され、状況を認識してクレームを行えるようトレーニングを行なっています。
誰もが率直に発言できる環境づくりを目指しています。
この規範に対するリクエストや不履行は、さまざまなコミュニケーションチャネルから報告できます。
電話:+55(51)3065-6100
メールアドレス:ouvidoria@veja.fr
2020年間に、VEJAはクレームを一件も受けませんでした。
勤務者が有する権利は、あらゆる製造現場で適用されるとともに、メゾンの製品チームが定期的に訪問してチェックを行っています。
VEJAの行動規範は、この文書内において、現地で使用されているポルトガル語で説明されています。
この文書には、クレームの受け入れ先詳細が記載されています。勤務者は、残業や休日返上、VEJAサイドの要請から派生した権利問題などを通知できます。
クレームが発生した際に、VEJAが、不適切なプランニングや、急な通知で変更を行なった、などの責任性を有する場合には、将来的に同様のケースが再発しないよう企業プロセスならびに戦略が再確認されます。
これ以外の要素が考慮される場合には、再発防止に向けた改善法について、サプライヤーサイドと話し合われます。"
Mechanical tests
Porto Alegre, 2021
© Studio VEJA
同様の条件で、製品の機械的特性を測る試験も行っています。
ランダムに選ばれた一足(左右両方)に、機械を使用して曲げや摩擦などの負荷を繰り返しかけます。 その後、ソールの摩耗や縫い目の強度などを検査します。